特別リポート!!2006年箱館五稜郭祭!!!(前編)
今回は、先ごろ行われた五稜郭祭に、俳優・山本耕史さんが参加した様子を、歴史作家の萩尾農さんが2回にわたってリポートします。
* * *
今年で第37回をむかえる五稜郭祭は、5月20日21日の二日間、明治維新最後の激戦地・函館(旧名:箱館)にて、快晴の下、繰り広げられました。
2004年NHK大河ドラマ『新選組!』、そして、2006年NHK正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』で、これ以上はないという土方歳三を私たちに見せてくれた俳優の山本耕史さんが、昨年に引き続き、五稜郭祭に参加され大盛況でした。
この五稜郭祭は、安政元年(1854)ペリーが艦隊を率いて箱館に来航してから、明治2年(1869)の箱館戦争終結までの出来事や人物を題材とした<維新行列>というパレードをメインに開催されています。なんと言っても新選組を身近に感じさせてくれた『新選組!』『新選組!!土方歳三 最期の一日』の感動が大きかったので、近年五稜郭祭の人気に拍車がかかっています。
五稜郭祭の一日目には、幕軍兵士への慰霊を行う碑前祭という催しが行われました。
『新選組!!土方歳三 最期の一日』で、山本耕史さん演じる土方歳三が、その首を狙って奇襲しようとした敵将・黒田清隆をはじめ、新政府軍に扮した人々が隊列を組み、市内にある箱館戦争ゆかりの場所を慰霊の為に訪ね歩きます。
今年は山本耕史さんに同行し、碧血碑と土方歳三最期の地・一本木を訪ねました。
碧血碑に至る山道(と言えるような道)を、新政府軍なる本隊に続いて歩く山本耕史さん。その後ろ姿と足取りが、なぜか、北の大地を踏みしめて歩く土方歳三の勇姿にだぶって見えました。
大河ドラマ『新選組!』の終った時点では、まだ山本さんは土方歳三と一緒にどこかで戦い続けているような感覚だったようですが、今年の正月『新選組!!土方歳三 最期の一日』で、土方歳三の人生をまっとうし、演じきった山本さんだけに、今回五稜郭祭参加の彼は、表情や一歩一歩の確実な足取りに、昨年とは違う何かをかもし出しているように感じました。
続く碧血碑での献花。詩が浪々と吟じられるこの空間を後にして、次なる一本木へ向かいました。そこは『新選組!!土方歳三 最期の一日』の中で、馬上、敵軍の放った弾丸に腹部を打ち抜かれ、落馬した土方が、なお前へ前へ斬り込んで行こうとしたあのシーンの舞台となった場所です。
こちらも昨年以上の人出です。もちろん土方歳三最期の地を訪ねる山本耕史さんの姿をひとめ見ようと集まった人たちがほとんどでした。この一本木柵跡地にある碑の前は、いつも花が絶えませんが、この日は特に色とりどりの花で溢れていました。
午後には、恒例「土方歳三コンテスト全国大会2006」が、五稜郭内の特設ステージで行われました。なんといっても全国大会ですから、文字通り全国から毎年集まってきた「我こそは土方歳三なり!」という人の中から、1位から3位までを選考する催し物です。昨年同様、山本さんも私も審査員を拝命しました。出場者は決まった台詞で短い芝居を披露しますが、アドリブや創作(?)も結構飛び出してくるのが、このコンテストの面白いところです。昨年の創作台詞で目立っていたのは「かっちゃん!」でした。「新選組!」の中での歳三と勇の台詞の数々が、思い浮かぶ言葉でした。二人が肌身離さず持っていた思い出のコルクを作ってきて、台詞とともに出すような演出を披露した人さえいました。
さて今年飛び出したのは、「ロマンチ」という台詞でした。続編『新選組!!土方歳三 最期の一日』で、土方歳三と榎本武揚がお互いエールのように交換し合ったあの言葉です。山本さんもこの「ロマンチ」というフレーズには納得の様子で、暖かく出場者の演技を見守っていました。さすがにワインとサンドウイッチを取り出してパフォーマンスする出場者には出会えませんでしたが・・・(残念!!)
さて、私も審査員なのでよくわかるのですが、実はこの出場者達に、甲乙つけるのは至難の技なのです。採点表の一覧には、「思い入れ度」という5段階方式で評価する項目があるのですが、全ての出場者は、歳三に対する思い入れであふれているので、全員に5点を採点する以外に評価しようがないのです。となると他の項目で差をつけなくてはいけません。山本さんもこの点に凄くご苦心されている様子でした。でも昨年も思ったのですが、歴史に残る土方歳三像を演じた山本さんを前に、堂々とパフォーマンスしている出場者も、かなり度胸のある方々です。その上このコンテストは、1位優勝者にならない限り、何度でも出場できるので、いつか見たお顔もチラホラお見受けします。この人たちの出場を止めてあげるには、一度優勝していただくしかないのです(笑)。
山本さんご自身も「萩尾さん、このコンテスト、審査の過程でそれぞれの人にコメントを求められても、なんと答えていいのか、本当に難しいですね・・・・」とつぶやいている姿は悩める副長風でした。でも、集まってきた土方歳三達のパフォーマンスを審査とは別に楽しんでくれている様子でした。(笑)
(次回、五稜郭祭・二日目のリポートに続く・・・)
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1976年10月31日生まれ B型






