音声担当に聞く!!
究極の音声表現で土方の最期を・・・
音声担当:山賀 勉さん
大河ドラマ『新選組!』で音声を担当した山賀さん、今回も引き続きということになりました。多くのスタッフ同様、土方役の山本耕史さんの人柄にひかれたという山賀さんに、今回の正月時代劇『新選組!!土方歳三 最期の一日』で表現したかったことなどを聞きました。
—————— 大河ドラマ『新選組!』の続編が作られることを聞いた時、さらに山賀さんが再び担当されることが決定した時、どんなお気持ちでしたか?
山賀 1年前と同じスタッフで仕事が出来るという楽しみと共に安心感を覚えました。また、鬼の副長「土方歳三」フリークの私の娘からは「お父さん良かったじゃない!」なんて言われちゃいました。
—————— 今回は土方に焦点が絞られたドラマになるわけですが、そのことに対する感慨のようなものはありましたか?
山賀 土方歳三への思い入れは特にありませんでしたね。ただ、大河ドラマ『新選組!』を撮影中、香取慎吾さんをいつもいたわり元気づけていた山本耕史さんのファンになりました。
—————— ディスカッションドラマという形で、後半は膨大なセリフのやりとりが延々と続いたわけですが、音声上で苦労されたり、こだわったことは?
山賀 セリフの収音で苦労したのは大鳥役の吹越満さんです。吹越さんの持ち味でもあるのですが、山本さんや片岡愛之助さんと比べると声のトーンを落としてのお芝居が多かったんです。また動きながらのお芝居が多かったことで、広めの映像が多用されたことも苦労の一因でしたね。ポスプロ(映像編集後の音処理)においては、3人のセリフに統一感をもたせるのに苦労しました。
—————— 大河ドラマの時と同じように、五稜郭は奥行きのある独自のセットでしたね。映像的にも手前から奥まですべて映るようなカットがよく見られたのですが、こういうセットが音声に与える影響というのは?
山賀 映像に奥行きがあるということは、音でも奥行きのある表現が出来るということで好ましいことだと思います。しかし、役者さんのセリフを録るということとなると全く逆で(笑)、セリフの録りづらいセットということになりますね。今回の五稜郭セットは、総天井で、なおかつメインの芝居場である会議室の中央には、ろうそくのシャンデリアが釣り下がっていたため、ベストなマイクポジションがとれずに収音には相当苦労しました。また総天井による音の“抜け”(天井の反射音などを拾ってしまい音がこもった感じになる)が悪く、明瞭度を保つのにも苦労しました。
長セリフ・長回しでなおかつ動きが伴ってくると、これも収音には相当気を遣います。セリフはもとより役者の動きや顔の向き、カメラのサイズまでをも確認しつつベストなマイクポジションでセリフ収音をしなければなりません。しかし優秀なブームマンの働きによって、満点に近い音でセリフを録ることが出来ました。感謝・感謝!
—————— 土方の最期のシーンに込めた思い入れやこだわりは?
山賀 土方歳三の最期は、「“悲しくもあり美しくもありたかった”」。そして共に生きてきた近藤勇(香取局長)との「“2人の世界”を創りあげてやりたかった」と言うのが本当の気持です。詳しい状況は省きますが、いよいよというシーンでは、あえてノンモン(無音)にすることで、土方の悲しさ“ひとりの世界”を表現しました。そして決定的な場面では、ある工夫をすることで “2人の世界”を表現しています。これは演出の吉川さん、そして音響効果の小野寺さんと共に悩んだうえで採用した方法でした。無音は究極の音声表現であり、土方歳三の最期はいかなる音をもってきても表現しきれなかったと感じます。
—————— すべて撮り終わった今の気持は?
山賀 私はドラマを作るのに作品によって気持の入れ方を変えるということはありません。どんな場合でも、全力で良い作品になるように努力します。だからこれが他のドラマと何かが違うというふうには感じません。ただ、正月時代劇『新選組!! 土方歳三 最期の一日』は、私が今まで作ってきた作品の中でも、心に残る作品のひとつであることに間違いないと思います。またまたドラマ作りが好きになりそうです。
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1976年10月31日生まれ B型






